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診療科目別事例と開業のポイント

小児科の開業地選定事例(三重県)

1.基本的な考え方

開業地の選定は、医院の経営が成り立つかどうかを決める最も重要な要素となります。
基本的には、過当な競争を防ぎ、医院相互の共存共栄が図れる地域を選定します。


2.市町村の選定

地の利を活かした開業地選定として、① 先生の出身地、② 勤務している病院の近隣(病診連携)、③ 奥様の出身地などが候補となります。これらを踏まえて、人口は十分か、人の動線(人が流入してくる地域か?)はどうか、将来の発展性はどうかを検討します。

地域別データ(下表)によると、
・15歳未満の人口割合が高い
 三重県平均を0.5ポイント以上上回る地域 ⇒ 桑員・三泗・鈴亀地区
・競合が少ない
 人口10万人当たりの小児科医数が少ない地域 ⇒ 桑員・鈴亀・伊賀・松阪・東紀州地区
・ターゲットとなる人口の患者数が多い
 15歳未満人口の絶対数が多い地域 ⇒ 三泗・鈴亀・津地区
これらより「鈴亀地区」が有望と考えられます。
また、数値が上げ傾向なのか下げ傾向なのか、先生の地の利が活かせる地区かどうかを加味して最終決定します。

<地域別データ>

全年齢人口
(※1)
うち15歳未満
人口
割合 人口10万人当たり
小児科医師数(※2)
桑員地区 216,619人 27,826人 12.8% 8,8人
三泗地区 376,458人 48,316人 12.8% 12.4人
鈴亀地区 245,822人 31,602人 12.9% 7.3人
津地区 275,105人 33,813人 12.3% 31.0人
伊賀地区 163,717人 19,126人 11.7% 8.5人
松阪地区 213,478人 26,175人 12.3% 8.0人
伊勢志摩地区 222,530人 24,154人 10.9% 13.2人
東紀州地区 66,041人 6,350人 9.6% 6.1人
三重県全体 1,779,770人 217,362人 12.2% 13.1人

(※1)三重県戦略企画部統計課「年齢別人口」(令和元年10月1日現在)
(※2)厚生労働省 令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計(令和2年12月末現在)

3.診療圏の考え方

開業予定地を中心に第1次診療圏(患者様が徒歩で来れる範囲)、第2次診療圏(徒歩または交通機関利用)、第3次診療圏(交通機関利用が必須になる範囲)に区分して考えますが、診療科目によって特色があります。
小児科の場合は、新築アパートなどが多い地域(ファミリー層の多い住宅街)かどうかがポイントとなります。なお、診療圏は半径1km前後を目安としていますが、お母さま同士の口コミで人気が出ると診療圏は拡大する傾向にあります。
診療圏の考え方
4.診療圏の実地調査

診療圏調査ソフトにてデータ取得した上で現地調査を実施します。
現地調査の主なポイントは下記の5つです。

① 調査の基本はバスおよび徒歩
 実地調査では、駅から役所に行く場合であってもタクシーは使用しません。基本的にバスと徒歩で移動して、川や鉄道、横断しにくい道路などマーケットを分断しているものがないか確認します。特に開業候補地とその周辺は汗を流して実際に歩き、アパート、マンション、一戸建ての建物等から生活の匂いを嗅ぎとります。
 また、幹線道路沿いより一路入っても生活道路沿いのところ、駅を一つ越えても駐車場が停めやすいところが選択のポイントです。
② 住民の生活動線把握
 役所に行き、そのエリアの中心街や繁華街を確認します。また、駅およびバス会社に立ち寄り、実際の乗降客数をヒアリングするなどして住民の動線把握に努めます。基本的に患者様は駅を「上り」ます。例えば、松阪の方は津へ、津・鈴鹿の方は四日市や名古屋へ、そして山側から海側に流れる傾向にあり、動線を把握する際の参考にします。なお、保育所・幼稚園等の児童数調査などマーケット調査も合わせて行います。
③ 競合医院の実態調査
 近隣競合医院の集患力を確認します。駐車場などから患者様の出入を測定するなどして状況を把握します。
 また、実態調査と診療圏調査データを対比することも、集患力の強弱を図るうえで重要なポイントであり、先輩開業医の先生方と共存共栄できる開院方法を考えます。
④ ヒアリング調査 
 子供さんが病気にかかった場合どこの医療機関を利用しているのか、また、近隣競合医院の風評についてもヒアリングにより確認します。

これらを総合的に判断して開業地の適否を判断しています。

⑤ 地域密着
 開業候補地が固まった段階で、先生と一緒に開業地の自治会、保育所、幼稚園などへご挨拶にうかがいます。開業までに地域住民の方とお会いする機会を増やし、先生を知っていただき、内覧会への案内も行います。
 内覧会では、病気のお子さんがいるご家族が必ず先生に会いに来られますので、小児科に対する期待や要望など地元の生の声をお聞きし、地域密着型の診療所を創り上げていきます。
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